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フリー素材を安全に使う方法|知らないと怖い「著作権」と「Creative Commons」の基本

知らないと危険!?著作権とCCライセンスの基本

「この画像、無料だったから使っても大丈夫だよね…?」

ブログやWebサイトを作るとき、そんなふうに軽い気持ちで画像や音楽を使っていませんか?

実は、無料素材=自由に使えるとは限らないんです。
著作権のある作品には必ず“使用条件”があり、それを正しく理解していないと、思わぬトラブルにつながることも。

この記事では、無料素材を使う上で避けて通れない「著作権」と「Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ)ライセンス」について、初心者にもわかるように丁寧に解説していきます。

Web制作者・ブロガーなら絶対に知っておきたい「安心して使える素材」の見極め方、この記事で身につけましょう!

この記事でわかること
  • 無料素材を使う前に知っておくべき「著作権とライセンス」の基本
  • CCライセンスの種類と、それぞれの使用条件
  • クレジット表記のルールと正しい書き方
  • 商用利用OKな素材サイトと注意点
  • Web制作・ブログ運営での安心な素材の使い方

Creative Commonsライセンスとは?著作物を「条件付きで自由に使える」仕組み

Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ)ライセンスとは、著作物を一定の条件のもとで自由に利用できるようにしたライセンス体系です。

通常、著作物は「すべての権利を保有(All Rights Reserved)」されており、無断で使用・改変・配布することはできません。
しかし、CCライセンスを使えば、著作者は「この条件を守れば使っていいですよ」と明示でき、利用者も安心して使えるようになります。

この仕組みは2002年にアメリカで始まり、現在では世界中のクリエイター、教育機関、政府機関、Webサイトで広く利用されています。
たとえば、Wikipediaの記事やFlickrの写真、政府広報の素材などもCCライセンスのもとで公開されています。

ただし、CCライセンスは「著作権の完全放棄」ではありません。利用者はライセンスの種類と条件をしっかり理解し、正しく使う必要があります。

6種類のCCライセンスを理解しよう|違いを一目で把握する一覧表つき

CCライセンスには、著作物の利用条件に応じて 6種類 あります。著作者はこれらの中からライセンスを選ぶことで、「どのように作品を使ってほしいか」を明確に伝えることができます。

以下は各ライセンスの概要をまとめた比較表です。

ライセンス名商用利用改変可否再配布条件クレジット表示
CC0制限なし不要(任意)
CC BY制限なし必須
CC BY-SA同じライセンスで必須
CC BY-ND×元のままで必須
CC BY-NC×制限なし必須
CC BY-NC-SA×同じライセンスで必須

たとえば「CC BY」は著作者を表記すれば自由に使えますが、「CC BY-NC」は非営利に限られ、「CC BY-ND」は改変ができません。

商用サイトやブログで素材を使う場合、ライセンス条件を誤解するとトラブルの原因にもなります。
「使えるかどうか」ではなく、「どう使えばOKなのか」を把握することが重要です

ライセンス表記の正しい書き方|TASL原則と具体例で理解する

CCライセンスの著作物を使う際は、クレジット表記(ライセンス表記)が原則必要です。
特に「CC BY」系のライセンスでは、正しく表記しなければ著作権侵害とみなされるおそれもあります。

基本の「TASL」原則とは?

CCライセンス表記は、以下の4つの情報を含めるのが基本です。

要素説明
T:Title(作品名)素材のタイトル
A:Author(著作者)作者名やアカウント名
S:Source(出典)素材のURLやページリンク
L:License(ライセンス)ライセンス名とURL

実際の表記例(画像素材)

Photo by Jane Doe on Unsplash / CC BY 4.0(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)

また、素材を加工・編集した場合は「Modified from the original by…」などと記載するのが適切です。

表記漏れに注意!

  • リンクを省略してしまう
  • 作者名を省略する
  • 「CCライセンス」とだけ書いて具体的な種類を書かない

これらはすべて不十分な表記です。
ライセンス違反になる可能性があるので、TASLを守った丁寧な表記を心がけましょう。

「非営利利用」とはどこまで?商用利用との線引きに注意しよう

CCライセンスの中には「非営利(NC: Non-Commercial)」と明記されているものがあります。
これは一見わかりやすく見えますが、実際にはどこまでが「営利目的」になるのか、その線引きは非常に曖昧です。

たとえば以下のようなケースはどうなる?

利用ケース商用利用に該当する可能性
アフィリエイト広告を貼ったブログ◯(広告収入があるため)
YouTube収益化動画に使用
フリー素材を配布するWebページ◯(サイトが営利活動に寄与していれば)
同人誌(有料頒布)で使用◯(販売収入があるため)
非収益の学校授業内資料✕(非営利の教育目的)

「お金を取らない=非営利」ではない

たとえ直接お金をもらっていなくても、広告収入や間接的な利益があれば商用利用と判断されるリスクがあります。

著作物の制限条件は作者の意図に基づいて判断されるため、「グレーかな?」と思ったら、以下の対策を取りましょう。

  • 使用を控える
  • 他のライセンス作品を探す(CC BYなど)
  • 著作者に問い合わせて許可を得る

「無料なら大丈夫」は通用しない時代です。
ライセンス条件を正しく理解し、トラブルを未然に防ぎましょう。

Web制作・ブログ運営での活用法|安全にCCライセンス素材を使うには

CCライセンスの素材は、Web制作者やブロガーにとって心強い味方です。
写真・イラスト・音源などを合法的かつ無料で使えるため、コストを抑えつつクオリティの高いコンテンツ作成が可能になります。

よく使われる素材サイト

Unsplash

Unsplash
主なライセンス商用利用クレジット
独自(CC0相当)不要

Pixabay

主なライセンス商用利用クレジット
CC0不要

Flickr

主なライセンス商用利用クレジット
CC BY ほかライセンスにより異なる要確認

Pexels

主なライセンス商用利用クレジット
独自(CC0相当)不要
活用のコツと注意点
  • ブログやLPには CC BYやCC0の素材が使いやすい
  • クレジットが必要な場合は、TASL原則に従って記載
  • クライアント案件に使う場合は、ライセンス条件を説明できるようにしておく
NG使用例(よくあるミス)
  • CC BYの素材をクレジットなしで使う
  • CC BY-NCの画像を広告バナーに使用
  • CC BY-ND素材をトリミングして掲載

これらはすべてライセンス違反になり得ます。

素材は「使っていいかどうか」ではなく、「どう使えばいいか」が重要です。
信頼できる素材サイトを選び、ライセンス条件を守って、安心・安全なWeb制作を行いましょう。

【結論】CCライセンスを正しく理解して、安全に活用しよう!

Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ)ライセンスは、誰でも自由に作品を使ってもらえるようにするための仕組みです。

ブログやWebサイト運営においては、無料かつ商用利用OKな「CC BY」や「CC0」の素材は非常に便利ですが、使い方を間違えるとライセンス違反になるリスクがあります。

特に注意したいのが以下の3点です:

  • CCライセンスには6種類あり、条件が異なる
  • クレジット表記(TASL)が必要なライセンスが多い
  • 「非営利(NC)」や「改変禁止(ND)」の条件をよく確認する

CCライセンスを活用することで、低コストで高品質な制作が可能になります

ただし、「無料=自由」ではありません。


ライセンスの内容を理解し、正しく使うことが信頼される制作者・ブロガーへの第一歩です。

今後の制作活動にぜひ役立ててください!

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