Webサイト制作はワイヤーフレームから始めよう!失敗しないための必須知識

「ウェブサイトのリニューアルを社内で任されたけれど、何から手をつければいいか分からない」
「いざ制作会社に依頼してみたら、要望がうまく伝わらず、完成イメージがズレてしまった」
Webサイト制作の現場では、このような経験をしたことはないでしょうか?
実は、Web制作における失敗の多くは、デザインや技術の問題ではなく、プロジェクトの「最初の段階」に原因があります。
Web制作の失敗はなぜ起こる?
たとえば、こんな経験はありませんか?
- 制作会社に「かっこいいデザイン」とだけ伝えたら、自社のターゲット層に合わない奇抜なサイトができてしまった。
- サイトの公開日が迫っているのに、デザインの修正ばかりで作業が進まない。
- 公開後、「この機能、追加できませんか?」と後から依頼したら、莫大な追加費用を請求された。
これらは、Web制作でよくある「失敗あるある」です。
これらの問題の根本にあるのは、プロジェクトに関わる全員が「完成形」を具体的にイメージできていないことです。
家を建てる際に、設計図なしで工事を始める人はいませんよね?
Webサイトも同様です。
設計図がないまま進めてしまうと、完成イメージのズレ、手戻りの多発、予算超過、そして最終的なプロジェクトの失敗につながります。
この「設計図」こそが、今回ご紹介する「ワイヤーフレーム」です。
この記事では、ワイヤーフレームの重要性とその作成方法、そしてワイヤーフレームがないことでWeb制作が失敗する具体的な理由について、徹底解説します。
Webサイト制作を成功に導くためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までお読みください。
ワイヤーフレームとは?Webサイトの「骨格」を可視化する設計図
「ワイヤーフレーム」という言葉を聞き慣れない方もいるかもしれません。
簡単に言えば、ワイヤーフレームとはWebサイトの「骨格」を可視化した設計図です。
これは、デザインの要素(色、画像、フォントなど)を一切含まず、白黒でシンプルにレイアウトされた図や図面を指します。
まるで家の「骨組み」や「間取り図」のようなもので、以下の3つの重要な役割を担います。
サイトの構造を定義する
どのページにどんな情報があり、どのような階層で構成されるのかを明確にします。
これにより、サイト全体の構成を俯瞰して把握できます。
コンテンツの配置を決める
テキストや画像、ボタン、フォームといったコンテンツが、ページのどの位置に配置されるかを決めます。
これにより、情報が整理され、ユーザーに伝わりやすくなります。
ユーザーの動線を設計する
訪問者がサイト内で迷わないよう、どのボタンを押せば次のページに遷移するのか、どのような流れでゴール(問い合わせや購入など)に至るのかを設計します。
ワイヤーフレームとデザインカンプの違い
ワイヤーフレームを理解する上で、よく混同されるのが「デザインカンプ」です。
両者はWebサイト制作に不可欠なものですが、その役割はまったく異なります。
ワイヤーフレーム
サイトの骨格や構造を定義します。
モノクロで、コンテンツの配置や動線に特化しているため、Webサイトの「機能」や「使いやすさ」を検討する段階で使われます。
デザインカンプ
ワイヤーフレームで決められた骨格に「肉付け」をして、完成形に近いビジュアルを表現します。
色や画像、フォント、装飾など、サイトの「見た目」や「雰囲気」を検討する段階で使われます。
例えるなら、ワイヤーフレームが「家の間取り図」で、デザインカンプが「内装や外観の完成予想図」です。
この2つを明確に区別し、ワイヤーフレームが完全に固まってからデザインカンプの制作に進むことが、スムーズなプロジェクト進行には不可欠です。
ワイヤーフレームがないとWeb制作が失敗する3つの理由
「ワイヤーフレームなんて面倒だ。デザインからいきなり始めてしまえばいいのでは?」そう考える方もいるかもしれません。
しかし、設計図なしでWeb制作を進めることは、以下の3つの理由から、プロジェクトを失敗に導くリスクを大幅に高めます。
理由1:完成イメージのズレによる手戻りの多発
Web制作の現場で最も多いトラブルの一つが「イメージのズレ」です。
発注者と制作会社の間で、完成形の具体的な姿が共有できていないと、次のような事態に陥ります。
- 発注者:「もっとシンプルで洗練されたデザインだと思っていたのに…」
- 制作会社:「かっこいいというご要望だったので、最新のトレンドを取り入れたのですが…」
ワイヤーフレームは、この「イメージのズレ」を未然に防ぐための共通言語です。
色や装飾のないシンプルな図面で、コンテンツの配置や動線、機能といった本質的な部分を先に固めることで、全員が同じ完成形を思い描くことができます。
これにより、デザインの段階に入ってからの大幅な修正や手戻りを劇的に減らすことができるのです。
理由2:プロジェクトの進行が非効率になり、スケジュールが遅延する
設計図がないまま家を建てると、工事中に「やっぱりここに窓をつけたい」「壁の位置を変えたい」といった変更が頻発し、工期が大幅に遅れてしまいます。
Webサイト制作も同じです。
ワイヤーフレームがない場合、デザインの途中で「このコンテンツが抜けていた!」「この機能を追加したい!」といった仕様変更が後から次々と発生します。
その度にデザインのやり直しや、コーディング作業の中断が発生し、プロジェクト全体の工数が膨れ上がります。
ワイヤーフレームを最初に作成し、承認を得ることで、この後の工程で発生する手戻りを最小限に抑え、効率的かつ計画的なプロジェクト進行を実現できます。
理由3:コンテンツや機能の抜け漏れが発生し、ユーザー体験が損なわれる
ワイヤーフレームは、単なる見た目の設計図ではありません。サイトの「目的」を達成するために、どんな情報が必要で、どう配置すればユーザーにとって使いやすいか、といった本質的な部分を検討する重要なフェーズです。
ワイヤーフレームがないと、サイト全体の構造やコンテンツの全体像が見えにくくなり、以下のような問題が起こりやすくなります。
- 必要なコンテンツ(例:FAQ、企業理念)が抜け落ちる
- ユーザーの行動を促すCTA(Call To Action)ボタンが分かりにくい場所に配置される
- 重要な情報が埋もれてしまい、ユーザーが目的の情報にたどり着けない
結果として、ユーザーにとって使いにくいサイトとなり、目標とする成果(問い合わせ数の増加、売上アップなど)に結びつかなくなってしまいます。
失敗しないためのワイヤーフレーム作成・活用術
「ワイヤーフレームの重要性は分かったけど、どうやって作ればいいの?」 「Web制作を依頼する側なのに、ワイヤーフレームも用意しなきゃいけないの?」
こうした疑問を抱く方もいるかもしれません。
ワイヤーフレームは、プロに依頼する際も、自社で用意する際も、プロジェクト成功の鍵を握ります。
ここでは、失敗しないための作成・活用術をご紹介します。
ワイヤーフレーム作成の4ステップ
ワイヤーフレームは、特別なスキルがなくても、WordやPowerPoint、あるいは手書きでも作成できます。
重要なのは、以下のステップを踏むことです。
1.目的・ターゲットの明確化
「なぜこのWebサイトを作るのか?」「誰に見てほしいのか?」をチームで共有し、ブレない軸を定めます。
2.必要なコンテンツの洗い出し
目的達成に必要な要素(テキスト、画像、CTAボタン、フォームなど)をすべてリストアップします。
この段階で、コンテンツに抜け漏れがないか徹底的に確認します。
3.構成要素の配置
洗い出した要素を、各ページのレイアウトに落とし込んでいきます。
「どの情報を、どの順番で、どこに配置すればユーザーに伝わりやすいか」を考えながら配置します。
4.修正・承認プロセスの確立
完成したワイヤーフレームを関係者で共有し、フィードバックを募ります。
この段階で納得がいくまで議論と修正を繰り返し、最終的に全員の合意を得ることが最も重要です。
デザインカンプ作成時の注意点
ワイヤーフレームが完成し、いよいよデザインカンプの作成に入ります。この時、「ワイヤーフレームで合意した内容を安易に変更しないこと」が非常に重要です。
デザインカンプの段階で、ワイヤーフレームで決めた構成や動線を大幅に変更してしまうと、せっかくの設計が台無しになります。
デザインの調整は、あくまで「ワイヤーフレームをより魅力的に見せるため」という視点で行いましょう。
大幅な変更が必要な場合は、必ずチーム全体で再検討し、承認を得てから進めるようにしてください。
失敗しないWeb制作のために、プロの力を借りるという選択肢
「ワイヤーフレームの重要性は理解できたけれど、自社で作成するのは難しい…」そう感じた方もいるかもしれません。
ご安心ください。ワイヤーフレームは、何も自社だけで作り上げる必要はありません。
Webサイト制作の専門家であるプロの制作会社は、ただデザインやコーディングを請け負うだけでなく、プロジェクトの企画・設計段階からクライアントと協力し、ビジネスゴール達成のための最適なサイト構造を提案します。
プロと二人三脚でワイヤーフレームを進めることには、以下のような大きなメリットがあります。
専門的な知見を活用できる
プロは、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)に関する専門知識を豊富に持っています。
これにより、単なるレイアウト図ではなく、成果につながる高品質な設計を共に作り上げることができます。
効率的なプロジェクト進行
ワイヤーフレーム作成に不慣れな場合、手探りで進めるよりも、プロのナビゲーションによって無駄な手戻りを減らし、計画通りにプロジェクトを完了させることができます。
客観的な視点を取り入れられる
自社内では見過ごされがちな、ユーザー視点での課題や、競合との差別化ポイントなどを、第三者であるプロの視点から発見し、設計に反映させることが可能です。
Web制作を成功させるためには、「まず設計を固めること」、そして、それが難しい場合は**「設計の段階から信頼できるパートナーを見つけること」**が最も重要なのです。
まとめ:ワイヤーフレームは「成功」への最短ルート
今回の記事では、Webサイト制作におけるワイヤーフレームの重要性について解説しました。
ワイヤーフレームは、単なるWebサイトの「間取り図」ではありません。
- 完成イメージのズレによる手戻り多発
- スケジュール遅延によるコスト増大
- コンテンツの抜け漏れによるユーザー体験の悪化
といった、さまざまなリスクをはらんでいます。
反対に、ワイヤーフレームをプロジェクトの最初にしっかりと固めることで、これらの失敗を未然に防ぎ、制作に関わる全員が同じビジョンを共有しながら、スムーズにゴールへと向かうことができます。
ワイヤーフレーム作成は、Web制作における「面倒な作業」ではなく、プロジェクトの成功を確実にするための「最も重要な投資」です。
Webサイト制作を検討している企業担当者の皆様、デザインや開発を外注する制作会社の皆様、ぜひ、次のプロジェクトでは、ワイヤーフレームを最初の一歩として、成功への道を歩み始めてください。
もし、ワイヤーフレーム作成にお困りでしたら、Web制作のプロに相談するという選択肢も検討してみてください。
お知らせ
「UCHIWA Creative Studio」では、コンセプトの考案から今回ご紹介したようなワイヤーフレームの作成も含めてお客様のWebサイト立ち上げをしっかりとサポートさせていただきます。
- WordPressサイトの保守管理
- WordPressサイトの構築(ブロックテーマ対応可)
- ヘッドレスCMSを使用したJamstackサイトの構築
- Webサイトの改修・カスタマイズ
- WordPressサイトの操作マニュアル作成(他社作成のサイトでも可)
まずはお気軽にお問合せください!!